UXやブランドエクスぺリエンスなどの共通点について

2018.06.20 Wed
カテゴリー ▶︎  Branding Web

マーケティングやデザインの世界だと、定義づけられた概念やフレームワークが色々ありすぎて、マーケティング用語に比較的慣れている僕でさえ、昨今の定義の嵐には頭が痛くなります。
実際にマーケティングやデザインの現場にいても、よく定義が分かっていない人も多いのではないでしょうか。
今回はその中でもUXやブランドエクスペリエンス、それに付随するフレームワークのカスタマージャーニーやペルソナといった、昨今よく耳にする言葉の意図する共通点を探ります。

UXとは

まずUXは何か、というところから。
これはユーザーエクスペリエンスの略で、定義はそのままズバリ、ユーザーが体験することを指します。
例えば何かの商品を買うとします。コップでもスマホでも、テレビでもなんでもいいです。
購入する前に、「欲しい」と思う、何かしらのきっかけがありますよね。
例えばエアコンだったら、「あちーなー。最近効きがわるいんだよな。電気代もたけーし、新しいのそろそろ買うか」なんて思ったのをきっかけに調べはじめて、「だいたい20万くらいするのか。まー許容範囲だな、じゃー実際に店舗にいって、店員に聞いてみるかー」と思い店舗に行って、購入する。
そして実際に使ってみて、「こういう風になるんだー。いいじゃん」と好印象を抱いたり、逆に説明書読んで「分かりにくい説明書だな」と不満もでてくる。
故障したら、カスタマーサービスに電話して修理してもらって、そこでまた満足したり不満をもつ。
というその全てがユーザーが体験するもの。つまりこれがUX
そして、これを理解した上で意図した着地点へ向かう為に、ユーザーの体験することを設計しようとする試みがUXデザインです。

概念と実際に使われている意味合いは違う

ちなみによくUXとセットで言われるUIは、ユーザーインターフェイスの略で、簡単にいえば使い勝手です。
ユーザーの使い勝手をよくするために画面周りのインタフェイスを考え、制作します。
UXデザインはユーザーから学んだことを活かしたうえで、意図した着地点へ向かう為に、ユーザーの体験することを設計しようとする試みですから、UIUXという大きなカテゴリの中の一部でしか過ぎません。

実際にUXという試みが多く行われているのは、ウェブ業界です。
おそらくコンバージョンの測定や、A/Bテストなどユーザーの動きを把握しやすいからだと思うのですが、UIUXという同じような言葉もあってか、概念上、ユーザーの体験を示すものではあるのですが、実際はウェブの用語として認識されているのが多いのが現状です。

ブランドエクスペリエンスとは

一方でブランドエクスペリエンス(ブランド体験)と言われているものは、なんでしょうか。
企業には必ず「その企業の意思」と「その企業らしさ」があります。
我々は〇〇〇〇の会社で×××××な魅力があるんだよと伝えていき、自分たちの価値を最大限高めるよう一貫性のある活動を通して、ユーザーにアピールしていく。
それがブランディングといわれる活動です。
一聞するとPRと同じに聞こえますが、もっと包括的な視点で、製品やサービス、社員行動から外側のデザインまで、統一的にブランド戦略は反映されていきます。

ブランディングにもユーザーを知る必要がある

ユーザー中心のUXとは逆に、ブランディングは企業主体に感じるかもしれませんが、決してそうではありません。
ブランド戦略は実に様々な視点で戦略が練られ、その包括的な活動の中にブランドエクスペリエンスというフェーズがあります。
ブランド構築の大きな目的には、企業の価値が望んだお客様に正確に伝わるようにする必要があります。
正確に伝える為には、ユーザーを理解しなくてはならないですよね。
その為には、ユーザーはどういう生活していて、どういう気分で、どういう風に購入していくんだろうか、その中で我々はユーザーに「×××××な魅力がある企業」と思ってもらう為には、どうすればいいのだろうか、と考えます。
その結果をもとに、自分達らしいやり方で、ユーザーがブランド(御社のサービスや商品)に触れる場を設計していくのがブランドエクスペリエンスです。
それによって、自社のイメージを確立したいわけです。

結局同じようなもの

つまり、

  •  UXとは
    ユーザーが経験することを中心に考えて、専門的に掘り下げていくことで、より現実的な企画をつくっていこう
  • ブランド体験とは
    ユーザーはブランドと触れる体験を通して、ユーザーの心の中にそのブランドのイメージができる上がるもの。だからこれを利用してブランド構築を計画だてて実行していこう

といったことですが、
はい、基本、考えてることは一緒です。ただ使われているシーンが違うので、プロセスにも影響はあります。UXの専門家もいます。ですので全く同一のものではありません。

しかし、基本的な考え方に、そこまで相違がないということです

ペルソナやカスタマージャーニーとは

これらは、UXやブランド構築にも使用されるフレームワークや考えかたです。

ペルソナとはターゲットを擬人化した、まるで本当に存在するかのような人物をつくりあげることです。
名前、趣味、年齢、家族構成、職場、住んでる場所、困っていること、嬉しく思うことなど詳細に詰めていきます。
これによって、ユーザーがどんな行動をとるのか、シミュレーションしやすくなります。

一方でカスタマージャーニーとはどんな流れで、この商品にたどり着くのか、その時どんな気分なのか、といった、ユーザーが商品を購入した後までの流れを可視化していく作業です。
つまりペルソナが変わると、答えも変わってきますよね。

概念自体は新しくはない

上記で説明したUXなどの言葉はすでに定番化してきています。
これらの共通点は「ストーリー」と「ユーザー視点」です。
ここ数年これらの言葉が出始めて浸透していきいるので、新しい概念に聞こえてきますが、これらの概念は、決して新しいものではありません。

1920年代にアメリカで考案された「AIDMA」といった考え方にも精通しています。「AIDMA」は、広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語です。Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)。つまりユーザーを「ストーリー」で考えています。

ユーザー視点については、ドナルド・ノーマンが1986にユーザーセンタードデザイン(ユーザー中心設計)について著書を発行しています。

今の時代に合うように進化をし、定着したのには、もちろんウェブの普及で販促の流れが変わっただけでなく、
「今まで曖昧だったものを明確にしましょう」といった動きが目立っているだけにすぎないと思っています。
多様化するニーズに対応するために、ユーザーをきちっと把握する。それを紐解いて考えると、ユーザーが物を購入するには一連の流れがあって、
その脈略の中で物を購入するわけだから、その脈略自体を見据えて考えていく必要がある。
押し付けのPRは、もうみんなウンザリだ。だからもっとユーザーの視点をとりいれよう。そういう流れだと僕は思っています。

まとめ

大切なのは、発想の起点やプロセス、視点が違えど、ユーザーをストーリーとともに理解しようとする姿勢です。
とっつきににくく格好つけた言葉の、うんちゃらエクスペリエンスなどのマーケティング用語ですが、
個人的には、その時の場面で理解しやすい言葉を使えばいいと思っています。
大切なのはユーザーを理解して、それを自社のブランド力、購買力の向上に繋げようとする姿勢だと思います。決してユーザーに高を括らない姿勢です。

ちなみに僕のサイトは随分古く、仕事にかまけてデザインをアップデートしていないので、そろそろ本当にやばいなと思っているところです。。。
スマホ版ないし、レスポンシブじゃないし。UXUIもダメダメですね。。

ちなみに、僕の好きな言葉で、松下幸之助さんがおっしゃった、「売れるものを作るな。客の欲しがるものもつくるな。客のためになるものを作れ」といった言葉があります。
ユーザー視点という言葉だけで安易に捉えてしまうと、「売れるもの、客の欲しがるもの」だけが正義になってしまっては、いけないなと思います。
もちろんそういう意味で、UXなどが提唱されているわけではないのですが、そう捉えてしまう方も少なからずいるのだろうと思っています。
特に日本は「お客様は神様」という言葉が良くも悪くも根付いていますから。

ブランディングは、ユーザーのことも考えますが、「我々はどんな存在なのか」ということから、掘り下げていきます。
ユーザーだけでなく、「自分たちの存在意義」を深く考え軸におきます。言葉や概念に踊らされず、ユーザーを探る前に、まずは自分たちを探る。
僕はそれが何よりも基本のような気がします。

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