中小企業のための競合の定め方

2020.03.03 Tue
カテゴリー ▶︎  Branding Marketing

中小企業にとって、競合の定め方ってむずかしいですよね。
大手ならまだしも、美容室みたいにものすごい数の店舗が世に溢れている業態では、
競合をどこからどこまで設定すればいいかわからなくなります。
そこで、どうしたら競合をしっかりと定めることができるのか、そのヒントを今日は書きたいと思います。

競合にも範囲がある

競合といってもシチュエーションによって抱くイメージが違うと思います。
コンペで仕事を獲得する業界の人は、コンペ相手 = 競合とイメージしますよね。
ウェブマーケティングばかりおこなっている人は、ウェブサイトが設定しているキーワードで、グーグルなどの検索において上位表示されている企業を競合と定める事が多いでしょう。
僕はブランディングを行なっているので、あくまでこの記事ではブランドとしての競合設定の仕方を書いていきます。

競合の範囲によって考え方の違いがある

ウェブサイトの競合の考え方だと、大手企業サイトでも個人サイトでも実はあまり関係がないと言われていて、個人のサイトでも大手のサイトに勝つことができます。
勝つといってもアクセス数や、グーグルなどで上位表示させられるかどうかといった意味でですが。。
そのため、あくまで閲覧者数の話がメインになり、あくまでスポット的な競合になってしまいます。しかし、どれだけ閲覧者数が高いページでも、自社のブランドに好意に持ち、購買に繋がらない人が見てくれてなければ意味がありません。

そのため、まずはブランドや企業としての方向性を示さないといけない。
その方向性を見出すためにも、ブランドとして競合を定める必要があります。
競合を定めることは単に競争に勝つ意味でも大切ですが、強いブランドを創るために、有効なアイディアを出す源泉にもなります。

しかし、中小企業やコモディティー化した業界にとっては設定がとてもむずかしい。
僕の業界であるデザイン関連の会社だって、関東圏内に星の数ほどあるし、どれも似た様なことばかり言っているし、全部競合として捉えると八方塞がりになってしまう。
どうすれば選ばれるブランドになるか、何もアイディアすら浮かばなくなってしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか。

同じような喜びを提供しているかどうかで決める

競合には直接競合と間接競合があります。

  • 直接競合

同類の商品やサービスを提供している競合のことを指します。
映画館だったらもちろん映画館。
競合というと、だいたいこちらをイメージしますね。

  • 間接競合

別業種だけど似た様な価値(喜びと僕はよんでいます)を提供しているサービスや商品のこと。
ファミレスなら、ラインなどのコミュニケーションツールがそれにあたります。
最近では実際にスカイラークが深夜営業をやめた理由に、ラインなどのコミュニケーションツールが増えたことにより深夜の利用者数が減ったとしています。
つまり、ファミレス = ご飯を食べるところではなく、ファミレス = 友達と時間を潰せるところといった喜び(価値)を提供していたためにラインなどがそれにとって変わってしまい、スカイラークが深夜営業を取りやめました。
つまり同じような喜び(価値)を提供していたということですね。
これが間接競合。

提供している喜びとは

直接競合はほとんどの場合、星の数ほどあります。美容室なんて信号よりも多いと言われています。その様な数の競合を相手にしていたら、どうすれば選ばれる企業、ブランドになれるかなんて検討もつきません。
そこで、そのブランドが本当に提供している喜び(価値)を考えます。

有名な言葉で「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」といった言葉があります。
これは、ドリル自体は穴を開けるもので、穴を開けたいからドリルを買うのであって、ドリル自体が欲しいわけではないといった意味。つまりは、穴が開けられるものであれば、ドリルじゃなくてもいいことを意味しています。

単純に考えると、ドリルの価値は穴が開けられる道具ということ。
しかし、もっと深掘りすると、穴は穴でも「自社だから開けられる穴ってどんなもので、それによってどんな喜び(価値)を与えているんだろう?」と考えていくと企業が本当に提供している価値が見えてきます。
そうなってくると、競合をぐっと絞れます。

ちなみに僕のデザイン事務所chordmarkとして提供している喜びとは「クライアントの迷いを晴らすこと」と捉えています。
つい、デザインの提供価値は「売れる」や「信頼獲得」「ファンづくり」といった言葉になりがちです。もちろんこれらは備わっていないといけない当然の役目ですが、chordmarkでは、ビジョンやミッションに人一倍こだわりますし、クライアントとしつこく付き合っていくスタンスでこうすれば売れるといったマーケティングの押し付けをしません。
パンフレットやロゴなど形に起こすことで、発注者側は事業を通して何をしたかったのか、何を伝えたいのか、あらためて明確に考え始めます。だからこそ、「迷いを晴らすこと」として捉えています。
そこに企業が成長する源泉があり、それをお手伝いしているのだと思っています。
実際に、「chordmarkさんなら話を聞いてくれると思った」といった理由で、相談がきます。そこにクライアントは喜んでくれる。

そう考えると、間接競合はコーチング会社という仮説が立てられます。そして更にそれをデザインを通して行うとしたら??
ぐっと絞れますね。

提供している喜びと競合の見つけ方

1. 自社のこだわり、ビジョン、ミッションを明確にする

なんでこの事業を始めたのか、どんなこだわりがあるのか、この商品を通してどんな困っている人を減らしたいのか、など自分たちの思いや背景を明確にします

2、ニーズを洗い出す

お客さんが何を求めて購入しているのか、ニーズをとにかく数多く洗い出していきます。
それは商品そのものだけなくても、たとえば「店舗が近い」「人に自慢できる」「のんびり商品を選べる」とっいった商品以外こともニーズに入ります。
お客さんにインタビューやアンケートをとってもいいですね。

3、ニーズを整理する

ニーズには対応できないニーズや、不満や不安を綴ったニーズ、自社がぜひ応えたいニーズ、当たり前のニーズ、など色々な種類があります。
これらを分類して、シンプルにまとめます。

4、喜びを考える

自社のこだわり、ビジョンやミッションとニーズを照らし合わせて、”自社だから与えられる”喜び、もしくは与えたい喜びを考えます。

5、似たような喜びを提供している同業社と他業社を探す

できるだけ自社と同じくらいの規模で、似たようなスタンス、理念、強みをもっている企業を探し、競合設定の完了です。

ポイント

提供している喜びを探すというのは、自社の強みを探すことにもつながります。
ポイントは、さくっと考えないこと。深く掘り下げていくスタンスが大切。それとビジョンやミッションをちゃんと明確にすることです。
ビジョンやミッションがないと、ただのニーズの掘り下げになってしまって、そのニーズに対して自社ならでは対応の仕方が曖昧になってしまうので、ふわっとしてしまいます。

競合は競争相手だけではありません。自社の特徴を見出してくれる良き参考材料です。
ぜひ、競合設定してどんどんいいブランドに仕上げてください。

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