ブランディングの断捨離効果とは

2020.09.09 Wed
カテゴリー ▶︎  Branding

コロナで自粛生活の中、断捨離を行なっていたとき、ふと気づいたことがあります。
それはブランディングは断捨離に似ている、ということ。
普段語られるブランディングの効果は、「ファンが増える」や「差別化がはかれる」「価格競争からの脱却」などの言葉が並びますが、僕は断捨離と似たような効果もあると以前から感じています。そればかりか、実際に断捨離を行なっていたら、プロセス自体もシンクロするんだと実感しました。

今日はあまり語られることがない、ブランディングの断捨離効果についてお話しします。

断捨離とブランディングの効能

ウィキペディアによると、断捨離とはヨガから来ている発想で、
「不要な物を断ち、捨て、物への執着から離れることにより、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を開放し、身軽で快適な生活と人生を手に入れようとする思想」だそうです。
ただ捨てるだけの行為ではないということですね。

余分なものを捨てて、すっきりしたい!身軽になりたい!
こんな快適な時間を過ごしたい!
そんな思いで断捨離を行なう人が多いと思います。

「スッキリしたい!よし!ブランディングだ!」とブランディングを始める人はまずいませんが、実はブランディングを行ったあとの感想として、スッキリした!と感じる方が多くいます。実際、僕もクライアントからそういった声を寄せていただきました。

なぜブランディングを行なって、スッキリしたり身軽な気分になるのか。
それはブランディングが「目指したい未来や大切にしている思いを抽出し、それを実現するために、魅力を研ぎ澄ましていく施策」だからです。
マーケティングにありがちな、アレもコレもと「今の時代はこれ!乗り遅れちゃダメ!」的なあおり立てるようなものでもなければ、時代にイチイチ翻弄される施策でもありません。
最初に描いたビジョンがあっても、いろいろな時代背景やヒエラルキーに振り回され、いつのまにかビジョンは曇ってしまいがちです。しかしブランディングは、自社が持っている魅力や思いを資産として考え活かしていく施策なので、いらない物は捨てられて、頭の中の曇りが軽減される効果が見込めます。ビジョンがクリアになるといったほうが正しいかもしれません。

まさに断捨離と共通していると思うのです。

どんな部屋にしたいのか考える

断捨離を行なう際、どんな部屋にしたいのかを考えます。こんな部屋にしたい、あんな風に部屋で時間を過ごしたい。物が減った後の理想の部屋に思いを馳せるはずです。
目指す理想の部屋があれば、物を捨てる時の判断もしやすいですし、モチベーションもあがります。

ブランディングにも、この「どんな部屋にしたいのか」と考える工程に似たフェーズがあります。
それは、企業のビジョンやミッション、会社の存在意義などを考えるフェーズです。自分たちはどんなことを大切にしているのか、どんな存在になりたいのかなど、自社の思いを言語化します。
デザインを作るにしても何にしても、この「ゴール」とも言える部分を最初に決めるのはとても大切なことなのですが、なぜか面倒くさがる方が多い。重く聞こえるんでしょうね、きっと。

しかし断捨離として考えると、より必然性が理解しやすくなると思います。
物が減った部屋はどんな部屋でしょうか。どんな風に過ごしたいでしょうか。

断捨離しただけでは理想の部屋は手に入らない。
捨てることが目的ではなく、身軽で豊かな暮らしを手に入れることが目的です。
何が豊かな暮らしなのかは人によって違います。だから考える。
きっと楽しいはずです。

それはブランディングも企業も、自分のライフプランも同じです。

いらないものを捨て、必要なものを残す

必要以上に溢れる物たち。
この物のせいで、すぐに必要な物が見つけられなかったり動きづらかったり、すでに持ってるのに同じものを買ってしまったり。本当は素敵な部屋なのに、その魅力を潰してしまっていたり。
物があふれることで様々なデメリットがあります。

これは企業も同じこと。
企業も余計なものを結構抱えています。

時代に合わせて生き抜いていく中で、いろいろな事業に手を出したり無駄な風習ができたりして、いろいろな不純物がついてきます。自社らしくないものや、自社が本当に提供したいこととは関係のないサービスなども行うことも。

場当たり的に無計画に造ったチラシやパンフなどの販促物もしかりです。
デザインがバラバラだったり、言っていることがそれぞれで違っていて、誰にどんなイメージを与えているのか分かったもんじゃない状況。とにかくお客さんが欲しいために「すべてのニーズに!」なんてメッセージを発信してしていまい、何が得意なのかわからない。

その積み重ねで企業の魅力が見えなくなってしまいます。
これは物が多くて部屋の魅力が活かされていないのと全くもって一緒です。

ブランディングにおいては実際に物を捨てるというよりは、自社の魅力を探して、方向性を絞って集中的にアピールして行くことで、結果的に不純物が取り除かれ無駄なことをやらなくなっていきます。

断捨離にしても企業にしても魅力を引き出すには最初に整理が必要になってくるのです。

より良い生活になるようにレイアウトし直して、時には買い直す

断捨離で物を捨てても、残った物たちを整理し直さなくてはいけません。でないと物は少なくなっても部屋はちらかったままです。

最初に描いた理想の部屋に近づくように、新しくできたスペースを活用して部屋のレイアウトを行なわないと、いつまでも落ち着かない部屋のままで魅力的な部屋は完成しません。
家具を移動するだけでなく、時には新しく買い直す必要があるかもしれません。
そうして、描いた部屋の出来上がりです。

これはブランディングでいえば、方向性が明確になったらサービスに落とし込めるようにプランを見直したり、魅力が伝わるようにウェブサイトなどを新しくデザインし直なすことと似ています。
「バリのような快適な空間」といいつつ、バリの家具を使用していなければ、バリと言われてもピンとこないのは当然です。企業の場合は部屋とは違い、もっと抽象的なものだったりするので分かりにくいですが、サービスやPRなどのデザイン物に落とし込んで初めて伝わっていきます。

こうして企業のブランディングが出来上がっていきます。
もちろん、企業のブランディングは断捨離と違い、ここからがスタートです。ブランドイメージを確立し、価値をつたえ、価値を上げていくようにPDCAを回しながら成長させていきます。

ブランディングのデトックス効果

実はブランディングには「インナーブランディング」と「アウターブランディング」といった2種類があります。
「インナーブランディング」は社内に向けたブランディングで理念の浸透や、社員のモチベーションアップなどが挙げられます。
「アウターブランディング」は社外に向けて自社の魅力を伝えていく作業がメインです。

ブランディングは主にこれらのような目的で行われますが、どちらであっても、今回この記事に書いたような「デトックス」とでもいうべきか、そんな断捨離効果がブランディングにはあります。だからこそ冒頭で書いたようにお客さんから「スッキリした!」という感想をいただくのだと確信しています。

実はこれが、悩める企業にこそオススメしたい、ブランディングの大きな効果だと思っています。
最近は情報が多すぎて「あれが重要これも重要」あーだこーだ、あーだこーだと雑音が多い時代です。
そんな中で何をどうすればいいのか分からなくなってくる。
そんな時代だからこそ、ブランディングのもたらす断捨離効果がとても有効なのだと思うのです。

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コードマークはブランディングデザインの手法を用い、企業のみなさまの意志を深く理解したうえで、貴社にフィットした制作物、制作プロセスのご提案をいたします。

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