グラフィックデザイナー、ウェブデザイナーの仕事とは

2020.07.13 Mon
カテゴリー ▶︎  Branding Design Marketing

グラフィックデザイナーやウェブデザイナーの仕事内容がわからないために、何をどう頼んでいいかわからないといった素朴な疑問をよく聞きます。
たしかに、イラストを書くわけでも写真を撮るわけでもない。そのくせデザイナーが経営のこと語ってたりします。
「なんなの??」って思うのは当然のことなのかもしれません。
そこで、今日はデザイナーの仕事とはなんなのかを説明したいと思います。

グラフィックデザイナーの仕事は平たくいうと、紙媒体をメインに販促物の制作を行なう人です。パンフレット、企業ロゴ、パッケージ、広告など企業の販促物に関わるデザインを制作します。
ウェブデザイナーは、ウェブのデザインを専門に行っているデザイナー。
デザイン作成ソフトに加え、HTMLといったプログラミングのようなものの知識も持ち合わせている人も多いです。
昨今ではこの二つの仕事の領域は広がってきているのですが、それは後述するとして、まずは基本的な仕事内容として具体的に何を行っているのでしょうか。

※クリエイティブ関係の職種はもう少し細かく役割が分かれていたり、肩書きを複数もっていたりします。それに関しては以下の記事をご覧ください。

デザイナーの仕事領域は?

1、基本の制作

グラフィック、ウェブの2タイプのデザイナー(以下デザイナーと略します)はイラストを書くわけでも写真も撮るわけでもありません。
人によっては対応もしていますが、一般的には行いません。
イラストはイラストレーターに、写真はカメラマンに頼みます。文章はライターがおこないます。

ではデザイナーは何をしているかというと、パンフレットやウェブをつくるにあたって、どんなアイディアで、どんな雰囲気のビジュアルにするべきかを考え、そしてレイアウトを行い、誌面や画面を作っていきます。
イラストや写真はデザインを行う上での「素材」にあたります。これだけではパンフレットなどは完成できません。

それらを取りまとめ、レイアウトをしないとパンフレットは出来上がらないし、顧客に与えたいイメージを与えることもできません。
画像の合成を行ったり、文字をきれいに読みやすく組んだり、読ませたいところに視線がいくように配置したり、飾り、誌面全体の配色、雰囲気を作り、制作していきます。それらをコントロールしてターゲットに魅力的だと思ってもらい、かつ、企業が伝えたいことを効果的に見せていきます。

ファッションデザイナー を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。
ファッションデザイナーは絵を書きますが、ボタンはボタン屋、生地は生地屋、パターンはパタンナーがつくります。縫製は縫製職人(なんて呼ぶのかわかりませんが。。。)
それらを組み合わせ一つの服を作り上げます。(あまりファッションは詳しくないので、多少間違ってるかも…)

2、最適な完成形を考える人でもある

やみくもにデザインをしても効果的な販促物にはなりません。「誰に、何を、どのように伝える」のかを考え、デザインの原案を作ります。
この考える作業はアートディレクターと呼ばれる人がおこなったりもしますが、アートディレクターはデザイナーの上位職なので、兼任している人が大半です。
ごく稀にクライアント自身がデザインの原案を考えてきて、この通りに作ってくれと言われる方がいますが、これはやめた方がいい。
要望をお伝えするに留まって、具体的はアイディアは考えてもらうのが最善です。

大抵の場合、複数名でチームを組んでプロジェクトを行うので、コピーライターや営業なども交えてアイディアを練り上げます。

3、イラストレーター、カメラマンへの指示

イラストレーターやカメラマンはデザイナーの指示を聞いて、それに似合ったイラストや写真を用意してくれます。
デザイナーはどういうイラストや写真にしたいのかを指示し、狙った雰囲気やクオリティーに着地できるようにハンドリングします。
これもデザイナーというよりアートディレクターの仕事に近いですが、兼任している人が多いので、これもデザイナーの仕事として今回は書いています。
アートディレクターやデザイナーというのは所詮、肩書きにしか過ぎません。
アートディレクターといいつつ、デザインができない人もいますが、、、まあそれは置いといて。。。

4、コーダーへの指示。印刷物の色管理。

ウェブサイトを完成させるにはコーディングと呼ばれる作業があって、これを行うことで、制作したデザインが実際にウェブ上で動くようになります。
このコーディングはコーダーと呼ばれる人がおこないます。コーダーへの指示と監修を行うのもデザイナーです。
デザイン通りのクオリティーになっているか、動きは適性かなどをチェックし、クオリティーをハンドリングします。
印刷物の場合、印刷所から上がってきた印刷サンプルを見て、色味の指示を行います。紙も選定します。

たまにデザイナーやアートディレクターではない人が、この作業をおこなっていますが、個人的には反対です。
ほぼ100%クオリティーが落ちるからです。

簡単にまとめると以下のような流れ

  1. デザイナー(アートディレクター)はどういうデザインにしたら、効果的かを考える
  2. デザインのラフ(ダミーのサンプルのようなもの)を作成
  3. イラストレーターやカメラマンに指示。
  4. それらを取りまとめ、合成やレイアウトなどを行い、完成形のデザインを作成
  5. コーダーや印刷所への指示とクオリティー管理を行います。

分業制にしているプロジェクトも多いので、すべてをデザイナーが行うわけではありませんが、基本的な仕事領域としては以上の内容になります。

拡張するデザイナーの仕事領域

デザイナーの仕事領域はここ10年で大きく広がりました。
紙媒体とウェブの両方のデザインをおこなう人が大半になったばかりか、
ブランド戦略やサービス開発などの現場でもデザイナーが多く関わってきています。
ちなみに僕はブランディングの戦略立案に関わる仕事も多いです。

詳しくない人から見れば、なぜデザイナーが?と思うでしょう。

実は、小難しいブランド戦略ではいまいちイメージが湧かない状況でも
1枚のデザインとコピーがあることで、一気に企業のビジョンや世界観が明確になることも少なくありません。
デザインの力は、戦略だけ練っているコンサルタントでは解決できない領域をカバーします。
コンサルタントが、ロジックで戦略をつくりあげていく中、ロジックだけではイメージできないものや、ニュアンスがわからないものをデザイナーがビジュアルに起こしていくことで
より鮮明にブランドの方針が見えてきます。

デザイナーは日頃からたくさんの企業のイメージを作りあげる仕事をおこなってきています。
デザインが経営に影響を与えることもよく知ってるし、逆にデザインだけ頑張っても企業が望む状態にならないことも体感しています。
マーケッターとも仕事もするので、マーケティングの知識も多少なりとも備えています。
そのため、目的設定やターゲット設定がいかに大切かを知っています。
そもそもデザインは、企業のマーケティングやブランディングのためにデザインを制作する仕事です。決してクライアントの好みをなんとなく形にする仕事ではないのです。

こういった背景やプロセスの中でビジュアルという形に落とし込む仕事だからこそ、ブランド戦略やサービス開発を練る際、大きく成果をあげられる力を持っているのです。

アメリカやヨーロッパの優秀な企業では社長室の直下にクリエイティブの部署を設置している企業も多くあります。
日本ではまだまだ少ないですが、ただ制作をする人から、企業のビジョンを実現するための仕事へと概念が変わってきています。

デザイナーもそうした中、ブランド戦略を学び、コンサルティングを行えるまでに成長を遂げている方も増えていきています。

何をどうやって頼めばいいのか

デザイナーの領域が拡張されたと言っても、すべてのデザイナーがブランド戦略などに関わっているわけではありません。
とはいえ、デザイナーやアートディレクターは、企業が伝えたいことをビジュアルを用いて、効果的に伝えられるように デザインを考え、写真やイラスト、コーディングなどをコントロールしながら一つの制作物にまとめ上げる仕事です。

そこは今も昔も変わりありません。
基本はやはり制作することなのです。
以下のような要望があるのであれば、デザイナーに頼めば、完成まで行ってくれます。

  • ブランド力をあげたいのでデザインを依頼したい
  • パンフや広告をつくりたい
  • ウェブサイトをつくりたい
  • 自社のサービス認知がないので、販促物を制作したい。

といった感じで。

とはいえ、得意不得意がデザイン事務所にはありますから、どんなスタンスで行なっているのか、どこに力いれている事務所なのかを把握して依頼するといいでしょう。
ブランド力をあげたいと言っても、チラシばかり作ってる企業に依頼しても意味ありません。

「制作したいので見積もりください」とだけ聞くと、純粋に概算見積もりや料金体系がきます。
お財布事情が合わないのであれば、どんなに魅力的なデザイン事務所でも依頼はできないので、
まずは金額感を把握されるのはとても大切です。

しかし、制作物は、解決すべき課題に応じて仕様が変わるので、クライアントの課題を伝えないまま、見積もりだけお願いしても具体性が欠けてしまいます。
できるだけ、制作を依頼しようとした背景や課題を伝えた上で見積もりをとるか、料金体系をざっくり把握するだけと割り切って問い合わせるようにしてください。

ちなみにデザイナーが一人で完結できることは多くはありません。
しかし、よほど安価に済ませようとしない限り、お客様自身でイラストレーターやカメラマンを用意しなくてもいいし、どんな内容で何ページかなんて決める必要もありません。
大抵の場合、他のプロと手を組みますが、必要なことはアレンジメントしてくれます。

しかし、下請け気質なデザイナーですと「何ページにしますか?」「何載せますか?」と具体的に聞くだけで、あげくの果てには「決まってないんじゃできません」なんて言ってくる人もいます。
そういうデザイナーは相手にしない方がいい。
指示をしないと動けないデザイナーはもはやデザイナーではなく、オペレーターです。
デザインに詳しい同業者の人でないと、そういった人へ依頼するのは困難です。
どういう対応をしてくるかを見る上でも、話をしてから見積もりを取るのが一番理想です。

垣根のない実態

デザイナーに制作物を頼むケースは多いですが、デザイナーに頼まなくても制作物をハンドリングして完成までマネジメントしてくれる企業は多くあります。
SEO関係の会社が制作までおこなってくれるところもありますし、マーケッターがマーケティングの一環として制作を勧めてくることもあります。
逆にデザイナーが、ウェブサイトをより確実なものにしていくために、SEO業者を勧めてくるケースもあります。
デザイン、マーケティング、ブランディングなどは、ジャンルは違えど、企業の宣伝活動の一環なので垣根があるように見えて、実はあまりないのが実際です。
しかし、制作という具体的目的があるならデザイナーへ。そうでなく、もっと広い意味で広報活動に力をいれたいなら、ブランディングやマーケティングを行っている事務所がいいかもしれません。
仕事の幅は様々です。肩書きに頼らず、相談できそうと思える方にご相談するぐらいのラフな感じで最初はいいのでないでしょうか。

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